なんのこっちゃ?ですね。これを日本語に訳すとこうなります。
「パソコンで動画を見るために作られたデータの3層目の音の部分」
もう少し説明すると、元々MP3は音をやり取りするために作られたデータではありませんでした。実は動画をパソコンで見せるためのMPEG1というデータ形式から映像を外した物なのです。
画像なしの動画・・というのが正しいですね。
ではなぜ、今も沢山使われているか?それには概ね2つの理由があります。
1.圧縮してデータが小さくできる。
圧縮して音の情報を間引きしています。これは大きな音に隠れた小さな音の情報などを捨てています。だからデータは小さくなる。(ということは音は劣化してます)
2.音だけ使うなんて前提になかったので著作権管理などができない。
当時の規格では、複製防止という事は考えられていなかったため、コピーガード的なものが用意されておらず、複製し放題ということになります。だからといって違法コピーが許されるわけではなないのですが、そういった知識なしに使っている人がほとんどでしょう。ただ、デジタル・ミュージックの状況も変わってきており今ではこういったコピーガード(DRMなど)などは使われなくなりつつあります。
MP3は音が悪い?
音データをMP3にすると、元々1曲あたり50MB(WAV形式やAIFF形式など)だったものが1/10くらいの5MBに圧縮出来ます。オーディオCDの全体容量が700MBなので、一般的なポップスでは10曲から15曲位入れることができますが、MP3データなら100曲くらいは入るという事になります。通信などで送るのには都合いいですし、ipodで聞くにも容量が少なくてすみますね。
当然圧縮すると音が変わります。少し乱暴に書けば、
「音の艶やかさが失われて全体的に詰まった感じになる。」
文字通り圧縮された音になるんですね。
これは、私達プロが聞いて分かる範囲の音質低下なんですが、一般的には音質劣化にほとんど気づきません。これもまた、人間工学に基づいて聞こえづらい音を削ってるからですね。
実はMP3は古い規格なので、けっして圧縮率が高く高音質ではありません。iTuneで使われているAACという圧縮のほうが断然優れています。
しかし、これらはあまり普及していません。なぜなら、著作権保護が可能なため自由にコピー出来ない。それに対して「規格は古いけど違法コピーしまくっても関係ないぜ」的MP3を皆使っているわけです。また、規格が古い分対応できる機材が豊富であることもその理由の一つでしょう。
MP3にも圧縮率というものがあります。その設定において音質も変わりますが、原音とMP3では同時に聴き比べないとその差を実感することは難しいでしょう。
ただ、音楽を作る側がMP3で満足しているようでは問題です。細かな音の構成が不可能なのです。
さらには、再生機器も大事です。パソコンのスピーカーで聞いているようでは何もわかりません。だって、真実はディティールに宿るのですから。
注意:広義の解釈では(MPEG-2 Audio Layer-3)もMP3と呼ばれています。